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CONCEPT
これからのかっこいいライフスタイルには「社会のための何か」が入っている。社会のために何かするってそんなに特別なことじゃない。働いてても、学生でも、主婦でも日常の中でちょっとした貢献ってできるはず。これからはそんな生き方がかっこいい。r-libではそんなライフスタイルの参考になるようなロールモデルをレポーターたちが紹介していきます。
# 006
KENICHI OIKAWA
September 11, 2014

r-lib | 斎藤 めぐみ × 及川 賢一 政治家がアートをやれば心を動かせる

GENRESArrow文化地域

政治家がアートをやれば心を動かせる

AKITENのイベントで講演する及川さん。

Reported by Megumi Saito

必要とされる時に、必要とされることを、必要とされる場所で


ー 議員を目指す人、または町おこしをしたいという人へのアドバイスはありますか?

 「政治家を目指したい」という人が自分を訪ねてきてくれることがあるんですが、自分の中でモットーがあって。まず、一般的には選挙に出るためには、「地盤(地域の支援)」「看板(ネームバリュー)」「鞄(資金)」の3つが必要といわれるんですが、自分は、お金をかけない、無所属で出る、ということを貫きました。例えば選挙に掛かったお金は45万円くらいで、3700票くらい頂いたんですが、獲得票数に対する使ったお金の少なさという点では、全国の市議会の中でもかなり良い結果だったと思います。
 そこにこだわった背景としては、お金が無くて、無所属で、若くて勝てたら、「なんだ、あいつがなれるんだったら自分も政治家になれるんじゃないか?」と感じてもらえると思ったからなんです。もちろん政治家という仕事はそんなに簡単ではないですが、まったく別世界の職業ではなくて、被選挙権を持っている人なら誰もが就ける職業なんだと再認識して欲しいんです。
 「地域を盛り上げたい、社会の役に立ちたい」と思う人はたくさんいると思います。僕は毎年就活相談会を開いたりしているんですが、社会貢献というのはそこで学生たちの口からもよく出てくる言葉なんです。学生時代は「将来こういう人になりたい」「社会に役に立つにはどうすればいいか」ということをよく考えるし、就職活動などでは周囲からも考えろと言われると思います。でも社会に出ると、その理想や夢をいかに減らすかという強制力が働いてしまうと思うんです。わがまま言わずにどうやって組織の役に立てるかということを考えさせる力が働き、気付いた時には「自分はこうなるはずじゃなかった」「理想のライフスタイルではない」と感じてしまう。でもそれは25歳の自分がそう思うのであって、それが10年後の35歳、20年後の45歳で叶っていたら良いという長い目で見て、社会の強制力にじっと耐えて焦らずに考えるようにしたら良いと思うんです。僕の場合だと「好きな時に、好きなことを、好きな場所で社会に貢献する仕事をしたい」というのは、言い換えれば「必要とされる時に、必要とされることを、必要とされる場所で」ということになると思います。「自分で考えて試した町づくりを海外で試してみたい」という夢については50歳までに叶えたいので、それを逆算して、そのために今何をすれば良いか考えて行動しています。斉藤さんの夢はなんですか?





ー え!!言えません(笑)!!

 えー!!教えてくれないんですか(笑)!!


ー すみません・・・(笑)ちょっと恥ずかしいので・・・とにかく自分で色々出来るようになりたいと思います。会社に入るのではなく、自分の力で仕事が出来るようになりたいと思っています。さて、活動中の思い出のエピソードとかはありますか?

 ちょっと笑い話になるかもしれないんですが、選挙活動の時にボランティアで友人70人くらいが日替わりで集まってくれて、本当にみんなのおかげで当選できたんです。選挙は大変なことが多くて、とくに八王子は面積が広いので選挙ポスターの設置場所が610カ所くらいあるんです。市議会の選挙期間は1週間ぐらいしか無いので、いかに早くポスターを貼れるかが大事なわけです。有力な人や政党の人は支援者が多いので数時間で貼り終わるんですが、僕の場合は車8、9台で10時間くらいかけた一日がかりなので、本当に友達の助けが無いとできませんでした。僕も含めみんな選挙をするのが初めてだったので、友達に選挙カーで僕の名前を言って回って欲しいと頼んだら、友達が照れて「え〜俺がウグイス嬢なんて嫌だよ〜」と言っていたんです。そしたらマイクがオンになっていて、そのまま選挙カーから外に放送で流れていたり(笑)。もちろん事故ですが、何もかもがノリでしたね。初めての選挙は次点で落選してしまったんですが、今思うと最初は選挙をなめてたし、周りからも絶対受かると勧められて僕も過信してたのかもしれません。ただ、落選したことがあるというのは、今となっては良い経験になりました。





ー え〜!!なんか嘘みたいなエピソードですね(笑)。
それでは、そんな経験を経た後に当選された勝因は何だと思いますか?

 一生懸命にやりました。 ずっと駅前に立って、ビラを配って政策を訴え続けたり。元々性格的に「自分に一票ください」と言うのは苦手なんです。お願いしづらくて。でも、一生懸命に政策を書いて、「良かったらこれを読んでもらえないですか」とお願いはできるので、一人一人にそう言って回りました。結果、3700という票が集まり当選できました。後援者名簿というのは無かったので、実際にどなたが入れてくれたのかは分からないんですけど、きっと政策に共感してくれた方が入れてくれたんだと思っています。斎藤さんも、もし政治家になりたいと思ったら言ってください(笑)。いろいろ教えますよ。


ー (笑)。どうやったら政治家になれるんですか?政治家になって周囲に影響はありましたか?

 25歳を過ぎていて、その地区に半年以上住んでいれば権利はあります。斉藤さんのように、若くてそのルックスで中身がしっかりしていればチャンスはありますよ(笑)!!今はブログで政治活動もできるようになったし。僕はブログはあんまり書いてないですがfacebookで書いたりしています。でもSNSの難しいところはプライベートと仕事の分け方で、僕も出来たら「おいしいパンケーキが焼けました」って書きたいのですが、政治家らしくないかと思ってプライベートなことは自粛したりしています。僕の場合は政治家になることに家族が猛反対で、選挙に出る前には母親とは毎晩言い合って、妹には、「町中にお兄ちゃんの顔がいっぱい貼られるのは恥ずかしい」と言われ、おばあちゃんまで泣き出す始末で。政治家になることで家族のライフスタイルが変わるということはありますね。父も前より襟を正して外出するようになった気がします。それまでは大きな企業に入っていたのでそれを辞めることへの反対もありましたし、世間から批判を受けることもありますし。母は外で「選挙ポスターに息子さんがいたよ」と言われても知らない人のふりをしてたみたいです(笑)。中々家族の理解を得るのは大変でしたね。でも今は母も理解してくれていて、議会で政策提言をする時に見に来てくれています。それはかなり嬉しいですね。


ー 反対してたのに今は議会を見に来てくれるなんてとても良い話ですね!!これからも応援しています!!今日はありがとうございました。




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及川 賢一

及川 賢一KENICHI OIKAWA

PROFILE

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東京都八王子市出身。
八王子市議会議員
NPO法人AKITEN代表理事
「恋する八王子彼女」プロデューサー

東京大学でメディア論、都立大学で経営学を学ぶ。(経営学修士)
ソニー(株)、経営コンサルティングファームを経て、八王子でcafe(W)を共同設立。
2011年に無所属で八王子市議会議員選挙に当選。
2012年より、アートプロジェクト「AKITEN」(http://akiten.jp/)を開始。
2013年より、映像コンテンツ「恋する八王子彼女」(http://www.hachi-kano.com/)を開始。

by 斎藤 めぐみ
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