# 005
YOSHIKI KITAGAWA
September 01, 2014
September 01, 2014
ー あぁ。なんかわかるような気もします。
でしょ?あと仕事についても、意思を持たずにただ単にお金を稼ぐために仕事をしてる人が多い気がしてて。ちゃんと仕事への思いを持ってないと、10年後、20年後に、今まで自分は何のために仕事してきたんだろうってなるんじゃないかって、そういう仕事の姿勢に対するムカつき。エンターテイメントに関しては、なんでお金を持っていない人がそういう体験ができないんだろうっていう思いと、あともう一つは、今の日本のエンターテイメント市場がポップカルチャーに寄り過ぎていることへのムカつきですね。
ー なんかいろんなことにムカついてるんですね(笑)!!
そう!!だってさ、よく日本って音楽産業は一流だけど、音楽芸術は世界最低レベルだって言われてるわけ。やっぱりそれっていやじゃないですか。周りには一流のエンターテイナーがいても、ポップカルチャーの占める割合が高すぎて、本来需要があるにも関わらず彼らが食べていけないんです。もちろんポップカルチャーがダメだと言ってるわけではないですよ?でもちょっとそれっておかしいだろって。そういうムカつき。

ー そう言われると確かにそうかもしれませんね。
例え話で言うと、普段マグロの赤身しか食べたことが無い人が、これまで高そうだからって食べなかったトロを無料で食べるきっかけがあったとしますよね。それでその人が初めてトロを食べたとしたら、それを機にその人の舌が変わるんです。トロってこんなに美味しいんだって。そうすると、次にどこに行けばトロが食べられるんだろう?と検索したり、赤身を何回か我慢すればトロ食べられるんだ!って行動に移す人が出てくると思うんです。
ー おぉ!!凄いわかりやすい例え!!うんうん、わかります!!
これをエンターテイメントに置き換えて考えると、もっと質の高い芸術作品を紹介することができれば、普段ハードルが高くて避けていたものに対してもっと需要やマーケットが広がると思うんです。オーケストラも今はマーケティングやPRに苦労しているので、そこのプロデュースを僕たちに任せてもらって、演奏者にはプレイに集中してもらう、という環境をフラッシュモブを使って作っていきたいと思っていますね。
ポジティブなものを作らないと広がっていかない
ー 凄い難しいことに挑戦してるように思うんですが、そういった活動をする中で辛いことや壁にぶつかることってありますか?
辛いことかどうかはわかりませんが、社会貢献って意外に広がらないんですよね。政治や他の分野もそうですが、『良いことをやってますね』で終わりなんです。この『良いこと』ってあまり人に響かないんです。良い悪いで人はそんなに動かないんです。すごくそれを実感したのが、自分がお世話になったNPOの方がいるんですが、その方は企業から出る廃材を使って製品を作って、その製造過程は障害を持っている方が働く作業所に委託をしているんですね。これはCSR的な観点から言うと環境に優しく障害者の賃金上昇にも貢献しているんですが、その方はそれを対外的には言わないんです。結局、良いことをやっているからといって買うわけじゃなく、かっこ良くなければ買わないんです。人の感覚にぐっとフォーカスしないと人は動かないんです。社会貢献をしてても、『頑張ってるね』『すごいね』とは言っても手を出そうとしてくれる人はなかなかいないので、それは辛いというか、もっと違えばいいな、と思うことはありますね。
ー それはちょっと残念ですね。でもそれはどうすれば変えられるんですかね?
それはもう感覚ですね。かっこ良くて楽しいもの、ポジティブなものを作らないと広がってはいかないですよね。

ー なるほど。では、逆にやりがいはどんなことですか?
イベントプロデューサーって結構大変なんですよ。映画のように大きいものを作っているわけじゃないので、ある程度全部自分でやらないといけないのが結構大変なんです。フラッシュモブもそうですが、自分が企業を相手に仕事をして、もらったお金を演奏者にお渡ししたとき、聴いた人が幸せになっていれば、とてもやりがいを感じますね。
ー 目の前で幸せを感じる人を見れるのは良いですね。
はい、そのためにも頑張らないといけませんね。
ー 頑張ってください!!

北川 義樹YOSHIKI KITAGAWA
PROFILE
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1985年1月14日生まれ
高校卒業後、美容室、アパレル販売員を経験した後に、メッセンジャーになるために東京に上京。
東京ではメッセンジャーの傍らオリエンタルランドでも働く。
地域活性、東北復興、コミュニティ運営、イベント企画等々様々な経験をし、今はLIFE WORK PROJECTという「働く」をテーマにした企画のプロデュースと、フラッシュモブをプロデュースするBORDERLESSの代表。