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CONCEPT
これからのかっこいいライフスタイルには「社会のための何か」が入っている。社会のために何かするってそんなに特別なことじゃない。働いてても、学生でも、主婦でも日常の中でちょっとした貢献ってできるはず。これからはそんな生き方がかっこいい。r-libではそんなライフスタイルの参考になるようなロールモデルをレポーターたちが紹介していきます。
# 003
KOJI HAGIUDA
August 12, 2014

r-lib | 安岡 あゆみ × 萩生田 宏治 日台合作で交流を〜『南風(なんぷう)』映画監督〜

GENRESArrow国際協力文化

日台合作で交流を〜『南風(なんぷう)』映画監督〜

はじめは衝突していた藍子とトントンは、価値観の差を乗り越えて友情を深めていく。

Reported by Ayumi Yasuoka


ー 今(取材時)W杯やってますけど、サッカーの監督と通じるものってあります?

 サッカーに限らず監督がどうしてるのかは見ますね。どういう態度で演出してるのか、どんな顔でチームを見てるのかとか。自主性を活かしたチーム作りをするところは参考になります。自分たちでやってる自覚をもってもらうように監督する。臨機応変に対応するためにも自主性を持ってもらいたいと思っているので。その辺はもしかしたら似てるかもしれません。


ー それって普通の人で、何かの組織をまとめる人にも適応できますかね?

 下の子が動かない時はどうしたらいいのか。動かない人を動かすためにどうするのか。しっかり褒めて、しっかり叱る。さっき褒めたけど、次の瞬間「もうお前帰れ!!」みたいな(笑)。映画の現場の話でいうと、関わっている作品にとって良いところは生かす。作品の方向性を理解してもらいたいと思ってます。もしその時わからなくても、いつか別のところでわかってくれればなぁとも思います。




「国と国」より「人と人」から出発


ー 俳優の良いところを見抜いて伸ばしていこうとするんですか?それともダメなところを指摘するんですか?

 自分から動いてもらいたいなと思ってます。こういうふうにしてって直接言っちゃうとその通りにやっちゃうから、それだとうまくいかない時があるんです。だからそういう場合は質問に変えていく。どう思った?と聞いてみるんです。答えは分からないから質問して、考えるきっかけを俳優さんに持ってもらう。なんでそうなったの?あの時どう思った?っていう風に。


ー 演技指導にもいろんなやり方があるんですね。さらに言葉の壁があると大変ですね。今回の映画はどんな人に観てもらいたいですか?

 大事にしている価値があったけどうまくいかなくて心が折れそうな時に、自分の中だけの視点じゃなかなか解決できないじゃないですか。でも他の全然別の価値観を持った人と出会うことで違う視点が生まれてくることがある。解決の手段にはならなくても、少なくとも別の視点があるってことを知ることができる。旅とか映画ってそういうきっかけを与えてくれるものだと思ってます。だからなにか悩みを抱えた方がこの映画を観て、そんな感覚を持ってもらえると嬉しいですね。


ー 最後に、読者にメッセージをお願いします。

 日本とアジア諸国の間には難しい問題が山積みだけど、それでも共感できる人がそこに住んでいる。たとえヘイトスピーチが聞こえても、あいつが住んでるよなって思えればちょっと見方が変わるじゃないですか。映画観たから即変わるってわけじゃないけど、そんな視点を持つきっかけになってくれればなと思います。そこにいる人が好きとか、気になるとか、そういうことを入り口にして考えるのが大切だと思っています。「国と国」より「人と人」から出発ですね。


ー 今日はお忙しい中ありがとうございました。


(了)




全国にて大ヒット上映中!







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萩生田 宏治

萩生田 宏治KOJI HAGIUDA

PROFILE

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1967年生まれ。高校時代より8ミリ映画を作り始める。和光大学在学中より内田栄一、山本政志、林海象、河瀬直美作品の助監督を務める。93年に製作・監督・脚本を担当した『君が元気でやっていてくれると嬉しい』でデビュー。その後、テレビドキュメンタリー番組の演出を経て、J・MOVIE・WARS5『楽園』(98)がトロント映画祭、釜山映画祭等に出品され、00年芸術祭テレビドラマ部門優秀賞を受賞。西島秀俊を主演に迎えた『帰郷』(04)はナント三大陸国際映画祭、東京国際映画祭等に出品され、第18回高崎映画祭若手監督グランプリを受賞。成海璃子主演作『神童』(07)、主演の甘利はるなが第82回キネマ旬報新人女優賞を獲得した『コドモのコドモ』(08)と2作連続でさそうあきら作品を映画化している。本作は多くの映画ファンが待望した6年ぶりの新作。

by 安岡 あゆみ
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