# 002
MIZUKI KOSHIDE
August 12, 2014

GENRES
国際協力環境文化
日本初上陸のスパイスをガーナから輸入するフードコーディネーター
ガーナに何度も長期間滞在する越出さん。現地の人との交流から料理に関することを学びます。TZというそばがきのようなトウモロコシの主食の作り方を習っているところ。
Reported by Ryoko Hirukawa
ー 想像しただけでおいしそう!このスパイスをガーナの農家の人が栽培して、それが彼らの収入源になっていくってとっても素敵な試みですね。
何をどういう風に作ったらお金になるかとか、どういう風に作物を育てたら環境にいいのかとか、農薬の良い悪いの知識とか、現地の人にもいろいろ関わりながら学んでもらっています。日本のカカオの90%はガーナから来てるけど、規制をかいくぐった良くない農薬が使われていたりもします。ガーナのカカオ流通って特殊で、政府系のカカオ会社がいろんな産地から収穫されたカカオを一括で同じ値段で集めて、混ぜて売っているので、いくら工夫して質のいいものを作っても量を作ったもの勝ちなんです。最近はオーガニックは別枠買い取りになったなど、改善されてきたとは聞いていますが。だからこのスパイスの生産に関しては、質の良いものは高く買い取ってもらえるということを学んでほしいと思っています。無農薬なのはもちろんですね!
ー カカオの栽培ってそんなに農薬使ってるんですね!!知らなかったです・・・。アフリカってあまり農薬使ってるイメージがなかったので。
アフリカもすっごく農薬使ってますよ。農薬の問題以外に、経済面でも問題はあるんです。ガーナはカカオで有名なのに、国内では数えるほどしかチョコレート工場はありませんし、日本ほど売られてもいません。先進国の人たちはガーナからカカオを買ってチョコレートに加工して付加価値をつけて儲けているけれど、育てているガーナの農家はいつまでも貧しいまま。それってなんか違うんじゃないかなって思ったんです。でももし農家のカカオの木の下でスパイスも作ってもらえれば、年2回しかないカカオの収穫の合間にも収入ができます。農地を増やさずに収入が増えるんですよ。環境にもいいし。そういうことを今やっています。
ー 凄いですね!!それで本当にアフリカの農家の人が豊かになれるといいですね。でもアフリカでビジネスをするって物凄く大変なイメージがあるんですけど。アフリカで実際に大変なことって何ですか?
そうですね、ガーナの富裕層って貧しい農民たちの生活を改善しよう、一緒に国を豊かにしようという気があまりないんですよね。やはり輸出や取りまとめができるガーナ人スタッフがいたら良かったのですが、計算や書類作りをできるような人の中で良心的な人を見つけられなかったんです。だから今は仲介業者を抜きにして私たちが直接農民と一緒に泥まみれになってやっています。信用できる人を見つけるのは本当に大変です。あと大変なのは、「やってみないとわからない」ということ。話が通っているはずなのに現地に行ってみたら、また今度、と言われたり、話が違ったり。ちゃんと今日って約束したじゃん!って思うことはよくありました。もう完全にガーナ時間のガーナペースなんですよね。でもとりあえず何でもやってみないとわからないからやるしかないっていう(笑)。あと基本的に日本の3倍は時間かかる。効率って何?って感じですからね(笑)。でもそこはガーナ時間に合わせるっていうのがうまくいく秘訣かなぁ。日本に帰ってきて電車がちょっと遅れても全然イライラしません(笑)。