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CONCEPT
これからのかっこいいライフスタイルには「社会のための何か」が入っている。社会のために何かするってそんなに特別なことじゃない。働いてても、学生でも、主婦でも日常の中でちょっとした貢献ってできるはず。これからはそんな生き方がかっこいい。r-libではそんなライフスタイルの参考になるようなロールモデルをレポーターたちが紹介していきます。
# 008
MADOKA TATSUNO
October 01, 2014

r-lib | 笹口 直子 × 辰野 まどか 地球市民を育てるグローバル教育

GENRESArrow国際協力教育

地球市民を育てるグローバル教育

17歳の時にスイスの国際会議に出て世界の広さを痛感した辰野さん。グローバル人材とは何か、その考えに至るきっかけも含めお話していただきました。

Reported by Naoko Sasaguchi



— 本日はよろしくお願いします。さっそくなんですが、r-libの読者のために辰野さんの現在の活動について簡単に伺ってもよろしいですか?

 はい、よろしくお願いします。私はいまグローバル教育推進プロジェクト(GiFT)という団体をやっています。グローバル教育って一体何かというと「地球市民」になる人たちを育成しましょうという教育です。「地球市民」っていうとなんだか夢物語みたいに聞こえるかもしれませんが、今はもう国連事務総長やユネスコという国連機関も、日本・中国・アメリカなどの国籍を越えて、大きい地球のなかに住んでいる人間の一人として社会に参画していきましょう、という教育を進めているんですね。
 日本でも最近「グローバル人材」と騒がれて、海外で活躍できる人材を増やしていこうと言われ始めていますが、ただ英語が話せて外国に行って何かをしますというのではなく、地球上どこに住んでいても自分の周りの人とつながって行動していける人を育てるのが目的です。





— 辰野さんがグローバル教育を日本で進めようと思われたきっかけは何ですか?

 もともとは私、インターナショナルでも何でもなく、渋谷でショッピングしたり、映画を観たりするような普通の高校生だったんです(笑)。むしろ英語はすごく苦手で、学校では周りに帰国子女が多くて、英語コンプレックスだったんですよね。でも母が17歳の時に誕生日プレゼントとして、スイスの国際会議に一人で参加するというきっかけを与えてくれたんです。

— え?!国際会議?ひとりで??ライオンが子どもを崖から落とすような感じですね・・・

 そうなんですよ。その国際会議は、普通は高校生ではなく大人が出るもので(笑)。政治家、学者が参加するような平和会議だったんですね。次の年にはダライ・ラマ法王が来るくらいにちゃんとした会議で・・・いろんな環境問題、都市問題は結局人間の心が作り出しているものだから、ここでは政策やルールを話し合うのではなくて、もっと自分自身の中にある平和への思いをお互い共有しようっていう会議でした。





80歳くらいのおばあちゃんにすっごく怒られたんですよ。「なに言ってるの!!あなたが続けるんでしょ!」って。



— すごい本格的な会議だったんですね!!私も子どもを留学させたいって思いますけど、一人で行かせるのは不安になっちゃうと思います。でもお母様がすごいですね。そのお母様のプレゼントがなかったら辰野さんの今はなかった訳ですもんね。

 そうですよね。会議の最終日に、みんなで感想を言い合ったとき、私は「毎日いろんな国の人たちが世界の平和について話し合う、こういう場が続いてほしいと思います」って言ったんですね。そうしたら一緒のグループに座っていた80歳くらいのおばあちゃんにすっごく怒られたんです。「なに言ってるの!!あなたが続けるんでしょ!!」って。それが私にとって本当に人生のターニングポイントになりました。それまで受けてきた教育は全て受け身だったけど、地球上でみんな一緒に平和に暮らして行くためのこういう場ってこれから自分で作り出していかなくてはならないんだな、って思ったんです。





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辰野 まどか

辰野 まどかMADOKA TATSUNO

PROFILE

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辰野まどか

一般社団法人グローバル教育推進プロジェクト(GiFT)
専務理事/事務局長 
学生時代に世界100都市以上を訪れ、様々なプログラムを通して、自らを実験台に、地球市民を育成する「グローバル教育」を体験する。コーチング専門会社勤務後、米国大学院留学し、異文化サービス・リーダーシップ・マネジメント修士号取得。その後、米国教育NPOにおいてグローバル教育コーディネーター、国連WAFUNIF主催「平和文化会議」コーディネーター、内閣府主催「世界青年の船」事業コース・ディスッカッション主任等を通して、世界各地で多国籍チームとグローバル教育を実践。
2012年12月よりGiFTを立ち上げ、多様性の中から新たなものを創りだす地球市民育成推進のための活動を開始。
大学、企業を対象とした海外プログラムDiversity Voyage や国内プログラムDiversity Training、ESD(持続可能な開発のための教育)の会議ファシリテーション、高校生のエンパワメントを目的としたプログラム運営等、地球市民育成に関わるプロデュース、研修、コンサルティング等を行う。

明治学院大学国際学部国際キャリア学科非常勤講師(サービスラーニング担当)

GiFT (一般社団法人グローバル教育推進プロジェクト)
URL: http://j-gift.org

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by 笹口 直子
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