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これからのかっこいいライフスタイルには「社会のための何か」が入っている。社会のために何かするってそんなに特別なことじゃない。働いてても、学生でも、主婦でも日常の中でちょっとした貢献ってできるはず。これからはそんな生き方がかっこいい。r-libではそんなライフスタイルの参考になるようなロールモデルをレポーターたちが紹介していきます。
# 028
NOBUYA MIYATA
July 15, 2015

r-lib | 早川 愛 × 宮田 宣也 日本の神様の正体がわかった気がした

GENRESArrow文化地域

日本の神様の正体がわかった気がした

宮田さんは神輿職人として、全国の御神輿を修理する傍ら、明日襷(アシタスキ)という団体を立ち上げて、失われそうな日本の文化を維持・継承していく活動をしています。また、震災直後から被災地に入って支援をしたことがきっかけで、被災地のお祭りの復興にも従事しています。さらに御神輿の文化を世界に持っていくことで海外との交流も進めているということで御神輿を通じて幅広く活動しています。そんな宮田さんが語る日本の神様とは。

Reported by Megumi Hayakawa







— 今日はよろしくお願いします。宮田さんは御神輿を作る職人さんで、いろいろなところで御神輿を担いでいると伺ったのですが、まずは簡単に活動内容をご説明していただけますか?

 明日襷(アシタスキ)という団体を立ち上げて、メンバーのそれぞれが、次の世代に繋いでいかないといけないものを残すための活動をしています。具体的に言うと、僕は御神輿をはじめとするお祭の文化を次の世代に伝えていこうと思っています。今、日本では御神輿やお祭だけでなく、いろんな文化や自然が失われていってますよね。そういった人間の営みや美しい風景などは、今受け継がないと本当に途絶えてしまうんです。次の世代に残すために、今を生きている人たちにもっと真剣に向き合ってもらおう、ということが活動理念です。その理念のもとに集まって活動しているので、明日襷(アシタスキ)という団体名は、明日に繋ぐ襷(タスキ)という意味になっています。





— お祭の文化ってなくなっているんですか?浅草の三社祭とか凄く人が集まって有名ですよね?外国人にも人気だしそんな風に思ったことなかったです。

 それは御輿会という、御神輿を担ぐのが好きな外部の同好会の人たちが担いでいるので、活気があるように見えるんです。そういう人たちが来ない地方の限界集落(過疎化で高齢者ばかりの集落)でのお祭りは担ぎ手がいないんですよ。御輿会の人たちが大勢いて活気があるように見えるお祭りでさえも、本来御神輿を担ぐべき地元の氏子さん(神社の近くの住人)たちが担げていなかったりする問題もあるんです。もちろん氏子さんの数自体が減ってしまって、担ぎ手がなかなか見つからなくて御輿会の人たちにお任せしている、という現実もあるのですが。













— じゃあ違うお祭で、同じ人が担いでたりするんですね。知らなかったです。

 それ自体が悪いわけではないんですが、お祭というのは神社の行事じゃないですか。神社に氏神様がいてその周辺に住む氏子が、年に一度神様が御神輿に乗って降りてくるからおもてなしをしようっていうのが本来の姿なんです。普段、神様に守ってもらっているから感謝しようという、そういう日なんです。だからそこに外部の人が急に来て御神輿を担ぐというのは、文脈としてちょっとおかしいんですよ。地元の人だけでは担げないから外部の人を呼んで、結局地元の人は裏方にまわって交通整理とかしてるんです。それはある意味仕方がないジレンマなんですけど、僕はできるだけその価値を地元の人たち自身に気付いてもらって、誇りを持って伝えていってもらえればなと思ってます。そのお手伝いをするのが僕の役割なんです。




宮田さんのお爺様も神輿職人だったということで、昔はお爺様がここに立っていたとか













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宮田 宣也

宮田 宣也NOBUYA MIYATA

PROFILE

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宮田宣也

 神輿の修理,製作をする木工の職人でありながら,地方の祭礼支援や神輿や山車を使った祭の創造に関わる。
 神輿の製作だけでなく、次世代へ祭礼を繋ぐため、主に地方の祭礼との連携を積極的に行う明日襷の活動を行う。茨城県八坂神社,岐阜県手力雄神社,神奈川県大稲荷神社,宮城県白銀神社,山梨県美和神社などの祭礼の支援を行い,さらには宮城県雄勝地域の「鼓舞」「復興商店街記念祭」への山車や神輿での演出を担当し新たな祭の表現方法を探っている。
 2014年9月南フランス,2015年3月タイでの神輿渡御を行い,海外での神輿文化創出にも関わっている。

by 早川 愛
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