# 023
YU NAKAMURA
March 10, 2015

GENRES
文化
「関係性のレシピ」で笑顔をシェアし、しわを生み出す
料理は笑顔を引き出してシェアするためのツールであるという中村さん。料理を一緒に作りながらであれば、いろんな会話を引き出すこともできるんだそう。いいしわを作るためにこれからいろんなプロジェクトを仕掛けていくそうです。
Reported by Miki Horie
— 料理だけではなく、作り手の思いも繋いでいるんですね。
料理はやはり上には上がいて、料理人にはかなわないと思っています。でも、「YOU BOX」はどういう人が作っているのかとか、そういう思いを伝えるための役割になれたら良いなと思ってやっています。楽しんでやってますけどね。
— 写真も全部自分で撮影されたんですか?
そうそう。編集の経験も活きたものが出来ました。
— 1人で企画を考えて行動も起こしているんですか?仲間とか支えてくれた人っていますか?
いっぱいいますよ。やってるのは1人だけど買ってくれる人がいるから成り立つ話だし、アドバイスしてくれる人や紹介してくれる友達もたくさんいました。むしろ1人でやっていることがないくらい。
— 東京にいるとなんでも入ってくるイメージだけど、まだまだ知らない物も多いんですね!!
凄くいっぱいあります。丁寧に真摯にプロダクトを作っているような職人さん達と話すのがホントに好きで、それをなんとか伝えられないかなと思って始めました。
— じゃあそういう情報はガイドブックみたいなものを頼りにはしないんですね。アンテナの高さが凄いですね。面白い人見つけるのも才能だなって私は思うんですけど。
んー、すごく嗅覚で生きてます。結構なんでも匂いで判断します。
ー 先生のコミュニケーションのツボをさっきから聞いてると素の状態に相手を持って行くのが上手そうですね。
そうかも。自分も自然な人が好きなので。自分には特定の憧れの人もいませんでしたし、こういう風になりたいとかあまり思わなかったな。だからあんまり夢がなかった。
— 意外ですね!!
今でもそうですよ。今でもこうなりたいというのがあんまりなくて。
— 純粋に今の好きが繋がって未来になるっていう感じですか?
はい!!私、生き方がすごく狭いんですよ。いろいろ動いているけど、やってることはいつも一緒で、自分の周りの人を大切にするっていうこと以外はあんまり考えていないかも。好きな人と働けたらそれが最高だし、周りの人に笑顔が届くようなことをしたいなと思っています。
おとずれたのは、台湾は高雄に住む藩富珠さんのお家。彼女の料理は、塩加減が絶品。富珠さんいわく「台湾には様々な民族が住んでいるから、同じ素材を使っても、色々な調理方法があって楽しいのよ」。
富珠さんはウエディングドレスのデザイン会社を家族で経営していて、お昼は必ずみんなで食卓を囲み、富珠さんの料理に舌鼓をうつ。
— なんか先生の作り方見てると料理って簡単そうに見えます(笑)!!
超簡単そうですよねー(笑)。でも基本はやっぱりあります。ニンニクとかも入れる料理によってですけど、芽をちゃんととってつぶしていれるとか、香りの出し方だったりとか、そういうところをちゃんとやるとあとは結構適当にしても平気かな。今回作ったアロスコンポヨと空豆とブロッコリーのポタージュを鶏のストックと塩のみで味付けしているように、私が作るものは味付けも超シンプルなものが多いですね。
— 毎日食べても飽きないっていうのは、家庭料理の特徴ですよね!!
そうですね!!私は女の人の料理が好きなんですけど、それは毎日食べても飽きない所とやっぱりみんな誰かのために作ってるんですよね。
誰かのために作られた、ストーリーがある料理の「関係性のレシピ」を探る
— なるほど〜!!思いがこもってる訳ですね。
そのストーリーとかも好きで。誰かとの関係性の上でレシピが出来ていて、この子が好きだとか、自分のお父さんとの仲直りのレシピだったりとか。聞いてると結構出てきて、面白いんですよ。
— 先生にはドラマのあるレシピはありますか?
私のは・・・考えたことがありませんでした(笑)。
— じゃあ、未来のレシピを作って下さいよ(笑)!!プロポーズするときはこれ!!とか。
えー!!私からプロポーズするの(笑)?でもスペインのお母さんが「男を制したかったら胃袋を制せ!!」って言ってたな。
— 世界中一緒なんですね。海外で「自分、日本人だな」って意識することはありますか?
自分の前にそこに行った日本人達がいい印象を残してくれているから、日本人っていうだけですごく良くしてくれたりしますよね。それは自分の努力ではなくて、そうやってみんなが築いてくれた面があると思います。
おばあちゃんのレシピを継承したいが、料理を教えてくださいというと、普段作らないハレの日の料理を作ってくれてしまうとか。